2008年7月31日木曜日

ダルシマー考

以前にも簡単にマウンテン・ダルシマーという楽器について書きましたが、久しぶりに『アイリッシュ・ソウルを求めて』という本(良書です!)を読み返しているとダルシマーについての詳しい記実がありました。



それはジーン・リッチーによって書かれたもので、マウンテン・ダルシマーは17世紀ドイツの楽器 Scheitholt を祖先とし、これから派生したノルウェイの Langeliek、フランスの Epinette des Vosges、オランダの Humle のそれぞれの要素が混合して出来た。チューニングや爪(所謂ピック類のこと)を用いて演奏する方法はノルウェイから、爪に鳥の羽根を使うのはフランス流、ボディの形状はオランダの楽器に似ているとある。アメリカに渡って来た移民の記憶の中の伝統楽器が混合されマウンテン・ダルシマーになったのだろうということだ。



以前の記事に僕はツィターという楽器がダルシマーの原型だろうと言われていると書いた。ツィターは映画『第三の男』のテーマ曲に用いられたことで有名な楽器。先に挙げた楽器がどんなものなのかは良く分かりませんが、きっとこれらはツィターと同じように弦を弾いて音を出す撥弦楽器なのでしょう。
ダルシマーにはハンマード・ダルシマーと呼ばれるものもあり、その名が表すように木の棒のスティックなどで弦を叩き演奏します。ハンガリーあたりで演奏されるツィンバロン、イランのサントゥール中国の揚琴なども同類の楽器。
ハンマード・ダルシマーの紹介文にもよくツィターが元にと書かれていますが、形こそ似てはいるものの、撥弦楽器のツィターと、弦を叩くことで音を出す打弦楽器であるハンマード・ダルシマーは別の系譜のように思えます。



『アイリッシュ・ソウルを求めて』の注釈によるとマウンテン・ダルシマーという楽器はケンタッキー州バースのJ・エドワード・トーマスという人が初めて作ったと言われているらしい。それがいつの時代だったのかの記載はない。1922年生まれのジーン・リッチーが子供だった頃、彼女の住んでいた地域に楽器はなかったと言う。歌はアイルランドや英国の伝統的な歌唱法と同じく旋律主体の無伴奏で歌われた。マウンテン・ダルシマーが一般に知られるようになるのは1950年代になってからのこと。



2008年7月22日火曜日

カテゴリー追加

You Tube動画などを貼り過ぎた為か、たわごとカテゴリーを読み込めなくなっていたのでライブレポートというカテゴリーを追加して記事を分けてみました。
我が家では全てのカテゴリーが問題なく読み込めるようになりましたがみなさんの回線環境ではいかがですか?



2008年7月21日月曜日

KINKS

off BEATライブにお越し頂いたみなさまどうもありがとうございました。
でももっと沢山の方に来て頂きたかったなあ。知名度のない僕たちにとって一番の難題が集客だ。
みっともないしあんまり言いたくはないけれど、昨年はお客さんが0人のライブが何度かあった。
正直すごく落ち込むし、近い将来僕は歌う機会を失ってしまうのかも知れないと不安にもなったりもします。

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トップバッターは僕から。
バンド活動を停止してまた一から一人で始めようと決心したとき、僕はその相棒にナショナルのリゾネーター・ギターを選んだ。
最初の頃は恐かった。もう助けてくれるメンバーはいないのだ。このリゾネーター・ギターと何とかうまくやっていかなくちゃならない。
あれから2年と数ヶ月、いつの間にかナショナルは体の一部のようになっていた。
リゾネーター・ギター以外のギターを演奏することも殆どなくなってしまった。シバさんから譲ってもらったマーティンだって藤井貴子さんにレンタルしたまんまだ。
今ならこのナショナル・ギターとどこへでも行けるような気がしている。



リハーサルでナショナルのチューニングをしているとA Drop of Good Beerのアコーディオン奏者の米山永一さんに「あおやぎさんキンクスは聴きますか?」と尋ねられた。
僕はちゃんとキンクスを聴いた事がなく良く知らない。米山さんによるとキンクスはリゾネーター・ギターを使っているらしい、僕がリズムをカッティングしているのを聴いてキンクスを思い出したのだそうだ。
試しにさっきYou Tubeで検索してみると
ナショナルのスタイルOを弾いてる映像がありました!
アルバムも聴いてみなくっちゃ。



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二番手はA Drop of Goodbeer。
本当にもっと沢山の人に聴いてもらいたかったなぁ…。



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取りは藤井貴子。
マウンテン・ダルシマーはいつも人気者。
ダルシマーを囲んでみんなの会話が弾み、笑顔が溢れます。
彼女の歌ももっと沢山の人に聴いて欲しいのだ。